2011年に起こった東日本大震災では、そこに生活の拠点があったというだけの理由で生命が奪われる。あるいは不自由な生活を強いられる。

そんな理不尽を、時に人は受け入れなくてはならないことを私たちに強烈に印象付けました。

 運命は目に見えない何かに委ねられていて、その範囲の中でのみ私たちの人生は存在しているのではないかとさえ思えました。

ですが、そんな理不尽はこの大震災だけではなく、この豊かに思える日本の日常にも数多く存在しているのです。

一人暮らしの高齢者がほとんどの日本に…

厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が5年ごとにまとめる「日本の世帯数の将来推計」(2013年1月推計)によると2035年の1人暮らし世帯は37.2%です。反対に夫婦と子供世帯は23.3%に減ってます。1980年は19.8%と42.1%なので割合が反対になりつつあります。

1人暮らし世帯を2010年と2035年で比較すると出生数減少の影響を受けて40代前半までの若い層はむしろ減ってます。

増大するのは中高年で65歳以上は498万世帯から762万世帯へと1.5倍増となります。

高齢男性の伸びも著しく70~74歳は2010年は36万世帯だが59万世帯となり、75~79歳は28万世帯が43万世帯といった具合となります。

一人暮らし高齢者の社会的孤立

内閣府「世帯類型に応じた高齢者の生活実態に関する意識調査」から高齢者の世帯類型別の生活実態をみると「相談相手」や「近所づきあい」がない等の人的関係では一人暮らし世帯は夫婦のみ世帯や一般世帯より関係性を持たない人が多く「15分以内くらいに住んでいる親族がいない」割合は6割近くになっています。

また、一人暮らし世帯の生活満足度は夫婦のみ世帯や一般世帯に比べて低く「日常の心配ごと」や「将来の不安」を抱く人が多く「健康状態」や「経済的な暮らし向き」は相対的に良くない状況となっています。

このように高齢者の生活実態をみると社会とのつながりの希薄化が高齢期の「生活の質」に大きな影響を与えていることがわかります。そして、社会とのつながりは高齢者の世帯類型に大きく依存しており、特に「一人暮らし」高齢者の社会的孤立は深刻な状況となっています。

新たなつながりづくり

「スマイルつなぐプロジェクト」

豊かな高齢社会を築くためには都市化やIT化、プライバシー重視というコミュニティが変容する中で人と人とのつながりを醸成することが必要です。現代社会のコミュニティは都市化やIT(情報技術)化によって徐々に「地域性」を失っています。一人暮らし世帯が増加し、地域のつながりを再構築して高齢者の社会的孤立を解消するためには、超高齢社会を迎える日本が、コミュニティを構成する人々の主体的なコミュニケーションに基づくコミュニティの「地域性」を取り戻すことが、21世紀の新たなコミュニティデザインではないでしょうか。

今後、終活ジャパンではこのような新たなコミュニティデザインに関する研究とその実現に向けたコミュニティ政策に関する提言を行っていきたいと考えています。